case01: 京セラコミュニケーションシステム株式会社様
case02: 日産自動車株式会社様
case01:京セラコミュニケーションシステム株式会社様

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)では「MVNO支援サービス(MVNE)pilina」の事業化にあたり、モバイル通信を利用した新規ビジネス等に企業が参入しやすくするための運営支援システム(MSS)をSaaS化(ASPサービス)し、提供を開始しています。そのシステム開発のパートナーとして弊社が選ばれ、開発を担当させていただきました。通信事業に固有の24時間365日ノンストップに耐えるシステムであることが条件であり、高品質を求められる開発でしたが、アジャイル手法によりわずか4ヶ月で完成させ、現在も同システムのメンテナンスや運用サポートを行っております。
■通信系システム開発の困難さの理解度合いがパートナー選定の基準
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は京セラグループの一員として、ICT、エンジニアリング、経営コンサルティングの3つのフィールドで事業を展開しています。同社がICT事業フィールドで提供する主要なサービスのひとつが「MVNO支援サービス(MVNE)pilina」です。このサービスは、通信事業に取り組もうという企業(MVNO)に、高速モバイルブロードバンドWiMAXで閉域接続やインターネット接続を実現するコアネットワークなどのインフラと、ユーザーの申し込み受付からアカウント発行、端末登録から開通までを行う運営支援システム「MSS」を提供するものです。
「2009年中頃からMVNEの準備に入り、スペシャルなWiMAXインフラメニューと運営支援システムの2つで、他の事業者との差別化を図ることにしました。特に運営支援システムは重要で、通信事業をやったことのない企業でも、通信事業に固有の運用業務を容易に行えるようにしなければなりません。そこで、MVNOがコストをかけずに利用できるASPサービスとして、運営支援システムを開発しようと考えました」と語ってくださったのは京セラコミュニケーションシステム ネットワークサービス事業本部ネットワーク事業推進室事業部長 森 丈志氏です。
そこで、KCCSでは運営支援システムの開発を社外に委託することにして、開発を担当するパートナー企業を探し始めました。選定にあたっては、まずインターネット検索などで10数社を選び出し、
(1)Webアプリケーションの開発経験
(2)24時間365日稼働のシステムのため、高可用性のシステム開発経験
(3)通信系アプリケーションの開発経験
(4)開発言語PHPとフレームワークZendによる開発経験
などについて各社へ確認したそうです。
「最終的には提案書で決めるわけですが、そこに行き着くまでのプロセスを非常に重視しました。例えば、社内業務システムの開発経験しかないと、不具合が出たら簡単にシステムを止めればよいという意識があったり、そういったベンダーを選定してしまうと言葉に表れない齟齬をきたしてしまう危険性があります。そこで、絞り込んだ5社ほどに実際会った段階では、通信系システムの持つ厳しさを感覚的な部分まで含めて理解しているかどうか、システムに対する考え方や開発の経験、構築システムの内容やそこでの工夫などについて、非常に細かく確認しました」と説明してくださったのは京セラコミュニケーションシステム ネットワーク事業推進室ネットワーク開発課 三上 紘輝氏です。
■FP法での工数見積とプロジェクト管理ツールの共有で開発を迅速化
加えて、当初予定した開発期間が2009年11月から2010年3月までの5ヶ月間と非常に短く、仕様も未確定な部分があったため、KCCSはウォーターフォール型ではなく、開発途中の変更に対応できるアジャイル型による開発を求めていました。こうして、1ヶ月半ほどのフェイスツーフェイスでのやり取りの末、受託開発先として最終的に選んでいただいたのがアントレンドでした。
「開発規模が大きく、失敗したら後に戻れないので最初は非常に不安でした。そのリスクを軽減するために、ファンクションポイント(FP)法で工数を算定し、見積を提出してもらうことにしました。アントレンドの最終見積は私たちが提示した基本画面設計や機能に対してそれぞれ的確に示されており、精度が一番高かったです。その上で、私たちが無理を言ってお願いしたアジャイル開発も、攻めの姿勢で積極的に取り組むことを約束してくれました。FP法で工数を厳密にしたことで、仕様変更があった場合には柔軟に工数のやり繰りができることになりました」(三上氏)。
こうして、開発パートナーは弊社に決まりましたが、2009年12月スタートとなり、開発は当初より1ヶ月短い4ヶ月で行わなければならなくなりました。そのため、週1回程度の定例進捗会議だけでは間に合わないと判断し、通常開発チーム内部で使用しているプロジェクト管理ソフト「Redmine」を、KCCS側のプロジェクトメンバーにも閲覧・書き込みができるようにして進捗状況や課題の管理等の情報を共有。これによりKCCSからの要望や仕様変更、バグ発生などの場合でも、迅速に方針決定し対策を立てることができました。
「こうした情報共有の仕方は内部がすべて分かってしまうので、普通はあまり行いませんが、今回はアントレンド側が『目的はプロジェクトの成功なので、内部を隠す必要は全くありません』と言ってくれました。同じツールを使うことで発注側と受託側が対峙する関係にならず、同じプロジェクトメンバーのような一体感を得られました。ベンダーを選定する過程からアントレンドの技術力には信頼がおけましたし、その上で円滑なコミュニケーションを取れたことが、短期間で高品質のシステム開発を成功させることのできた最大の要因だったと思います」(三上氏)。
■品質保証部門の折り紙付きの高品質で開発を完了、他部門からも依頼
開発段階でレビューを頻繁に行い、品質が確保されていたため、テスト段階でも大きな問題はなく、開発は2010年3月末に予定通り終了しました。そして、サービスを開始したMVNO運営支援システム「MSS」は現在まで順調に稼働し、pilinaブランドのもと、モバイル通信を利用してビジネスを展開する各種MVNOを支えています。
MVNO支援サービスと運営支援システム「MSS」
「アントレンドが胸襟を開いて、正直
に開発を行っていることが分かってくると、私たちも自然に、アントレンドのエンジニアと同じプロジェクトのメンバーだという感覚になっていきました。高い技術力の上に、こうした柔軟で信頼感あふれるプロジェクト運営によって、KCCSの品質保証部門が驚くほどの高品質のシステムができあがりました」(森氏)。
MVNEの開始から1年半、KCCSではMVNEビジネスを成長させるため、様々なサービスメニューを企画し、サービスの充実・進化に努めています。そのために必要となるMSSの機能追加やマイナーチェンジには、弊社のエンジニアがKCCSに常駐し、スピーディーな対応ができる体制を整えています。また、品質保証部門から高い評価を得たことから、KCCSの他部門からも弊社に開発のお声掛けをいただけるようになりました。今後もKCCSのサービスを通じて、顧客満足度のより高いシステムを実現できるよう努めてまいります。
KCCS泉岳寺オフィスにて。取材のご協力ありがとうございました。

■企業概要
京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)
本社:京都市伏見区竹田鳥羽殿町6(京セラ本社ビル内)
設立:1995年 9月22日
資本金:29億 8,594万 6,900円
売上高(連結):938億 5,549万円(2011年3月期)
代表:代表取締役会長 森田 直行
代表取締役副会長 篠原 憲彦
代表取締役社長 小林 元夫
代表取締役副社長 朝長 伸一
従業員数(連結):2,664名(2011年3月末現在)
ホームページ
http://www.kccs.co.jp/ MVNO支援サービス(MVNE)
http://www.kccs.co.jp/mvne/index.html
[取材日: 2011年11月7日]
※本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で、変更されている可能性がございます。予めご了承下さい。
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case02:日産自動車株式会社様

日産自動車は「人とクルマと自然の共生」の実現のため、環境負荷低減への積極的な取り組みを進めています。その取り組みの一つとして、工場や研究開発で使用される油脂、薬品、塗料などに含まれる化学物質を抜けや漏れなく管理するため、 電子データによる含有化学物質管理システムをアントレンドと共同で開発しました。日産の総合研究所で導入されたシステムは、その便利さと品質が社内で評判となり、現在は国内の全工場と事業所に導入を完了。主に製造業向けにパッケージ化して外販にも踏み切るなど、ますますの広がりをみせています。
■真の意味での「社内システム開発」ができる会社を探して
慎重な取り扱いが求められる原材料や化学物質は、少しでも使い方を誤ると大きな事故の原因になりかねません。「様々な環境法規により厳正な管理が求められます。ISO14001やPRTR法等の監査・運用にあたってスピーディに、しかも抜け・漏れがなく管理する必要があります。そのために、他部署の2倍以上の化学薬品を使用する総合研究所では業務の電子データ化が喫緊の課題でした。既存パッケージの導入も検討しましたが、現場の業務実体と完璧にマッチするパッケージはなく、パッケージに合わせて業務のやり方を変えさせるのでは本末転倒だと考え、良いベンダーに最適なシステム開発をお願いしようということになりました。」当時のことを振り返って語ってくださったのは日産自動車株式会社 総合研究所研究企画部の武山哲氏です。
「我々がサプライヤーを選定する時の基準は3つあります。技術力、スピード(レスポンス)、そしてコストです。特に重要視したのは、単独でソフト開発を完結できる技術力です。今までの経験上、システム開発会社の多くは丸ごと下請けに出してしまい、自社内だけで製造できる会社はそう多くはない。当たり前ですが下請け会社が多く存在すると、その分マージンを取られてコストも跳ね上がるし、細かいコントロールがきかない上にレスポンスに時間がかかってしまいます。また、ハードメーカーと提携しているような会社の場合、インフラ構築など提携製品を絡めて提案してくるので、必ずしもベストソリューションとはいえない。こちらの求める環境や条件に柔軟に対応できる会社を見つけようといくつもの会社に問い合わせをしました。」(武山氏)
アントレンドのことはインターネットで検索してホームページを見たのがきっかけだったそうです。日産側の担当者として共同開発にあたった総合研究所研究企画部の瀬戸史生氏は弊社を開発のパートナーに選ぶにあたって次のように話してくださいました。「ホームページに開発実績やその規模、使用した言語などの情報がきちんと開示されていたのと、エンドユーザーの直接開発が多いところに惹かれました。開発予定のシステムは通常のWEBシステムとは異なり、既存システムの一部利用や基幹系システムとの外部連携もあり、実際それで尻込みしてしまう開発会社も少なくありませんでした。
アントレンドへはまずメールで問い合わせをして、開発方針、品質基準やCMSに関する考え方などかなり厳しい質問・要求をしたのですが、いつも数分でしっかりした返信が即座に返ってくるのには驚きました。こちらの質問に対して100枚もあるような立派なプレゼン資料を作って、7,8人引き連れて説明に来る会社よりも、今回の開発にはアントレンドは合っていると感じました。見積も細かく機能ごとに分けて根拠ある数字を提示してくれたので、素直に納得ができました。」(瀬戸氏)
■開発にはプロトタイプ手法を導入し、現場の声を徹底的に反映
日産ではちょうどその年の12月にISO14001の監査を控えており、その1ヶ月前の稼動を目指してシステムの納期を求められていました。厳しい日程ではありましたが、実際にシステムを使用する現場の声を最大限反映するために、UMLを用いてわかりやすく画面を作っていくことになりました。ベータ版の画面を実際に見てもらいながら、必要な項目が抜けてないかどうか、画面遷移にストレスがないかなど、3ヶ月間厚木の研究所に頻繁に通いながらレビュー⇔修正を繰り返しました。
「アントレンドは日産側の要求を誠実に理解してくれたし、実際に使用するユーザーの立場から一緒に考えて使い勝手の良さを追求する事に時間をかけ、しっかりと仕様を固めてくれたことが、後の社内での評判にも繋がっていると思います。システム開発は、ともるすと個々のエンジニアの能力に依存してしまったり、それぞれの部分でみると良くできていても、いざつなぎ合わせたら上手く動かなかったりするなど、複雑だしデリケート。アントレンドの場合、システムの太い幹を作るリーダーがトップに立ってしっかりしたチームを組み、担当者の顔が見える開発をずっと続けてくれています。当たり前のことのようですが、それが社内で一貫してできる会社というのは残念ながら驚くほど少ないのが現状です。」(武山氏)
「プロトタイプ手法のお陰で製造から納品でのギャップもなかったですし、製造段階に入ってから納品にかけてはとてもスピーディでしたね。また、実際に導入するにあたってのサポート体制もとても良くて、稼動時とあとは2〜3回しか来てくれない業者さんも多い中、1ヶ月間張り付いて他システムとの外部連携に支障がないかなど、細心の注意を払ってくれたので安心して任せられました。」(瀬戸氏)
■品質保証部門の折り紙付きの高品質で開発を完了、他部門からも依頼
無事にシステムの導入を終え稼動を始めると、電子データ化により業務は効率が大幅にアップし、時間のかかっていた承認申請もスムーズと社内でも評判に。実際にISO監査の際は監査員の方からもシステムについて「非常に優れている」とお墨付きをいただいたそうです。噂を聞いた他の事業所からも「使わせてほしい」との声がかかったのをきっかけに、現在では国内の全事業所に導入するに至りました。「時間換算してコストを計算すると、全社で合わせて既に8000万円以上の効果が出ています。これは開発コストからしても十分過ぎる成果です。」(武山氏)
さらに現在は「M-Quick(エムクイック)」としてパッケージ化し、外販も展開しています。「ソフトとしての品質には自信を持っていましたし、安く普及できて環境に貢献できるのであればと考え、外販に踏み切りました。今後の夢としては化学物質管理においては日本のスタンダードというようなソフトになればいいと思っています。」(瀬戸氏)
データベースサーバーのクラウド化による化学物質情報の共有など、今なおますます進化しているM-Quick。アントレンドは引き続き、日産自動車とともにソフトウェアの向上と普及へ取り組みを続けています。
弊社オフィスにて。取材のご協力ありがとうございました。
■企業概要

日産自動車株式会社
(NISSAN MOTOR CO.,LTD.)
本社:
神奈川県横浜市西区高島一丁目1番1号
設立:1933年12月26日
資本金:6,058億13百万円
売上高(連結):87,731億円(2011年)
社長兼最高経営責任者(CEO):
Carlos Ghosn(カルロス ゴーン)
従業員数(連結):
155,099名(2011年3月現在)
ホームページ
http://www.nissan-global.com/JP/
日産グローバルサイト(M-Quick)
http://www.nissan-global.com/JP/LICENSE/SOFTWARE/SOFTWARE02/index.html
[取材日: 2011年12月9日]
※本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で、変更されている可能性がございます。予めご了承下さい。
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